読書レビュー・恐怖実話 奇想怪談 丸山 政也著

読んだ本のレビューです。
前回の記事と同様にkidnleUnlimitedを利用して読みました。

前回の記事「読書レビュー・恐怖箱 常闇百物語 恐怖箱シリーズ」





『恐怖実話 奇想怪談』丸山政也著


恐怖実話 奇想怪談 (竹書房文庫)

 

奇想怪談とタイトルにありますが、著者のあとがきに書かれている通り「奇譚」が正しいという話が多かったです。

 

全体の感想

怪談実録というと日本の話が多いのですが(今まで読んだ本で外国の話は殆ど見当たりませんでした。あるとすれば、海外の曰く付きの何かを日本に持ちこんで災いが起きるというパターン。)この本は外国の話や外国に関わる話が多い。

日本人が書く怪談にしては異国情緒があって新鮮です。

読み応えは、怖いというより、味がある。しっとりした曲を聴いているようでした。

あとがきで「奇譚」と著者自信が書いているのですが、確かにそれがしっくりくる。

 

きたん【奇譚】

珍しい伝承。不思議な話。 「異聞-」

大辞林 第三版より

 

怪奇現象ではあるけれど、説明のつかない不思議な話の詰め合わせと言えばいいのでしょうか。

怖くはないですがつまらないというわけでもなく。

実録怪談にありがちな生々しい嫌さが欠けた(いい意味で)小説らしい話でした。

前作「実録怪談 奇譚百物語」も読んでみたいですね。※また、Amazonの★が3なので……前回のリベンジというわけではありませんが、読んで確かめたい笑

 

話が少し変わりますがこの本、出版が2017年です。

収録された話には時事に疎い自分も記憶している2012年の事故などが入っており、そういえばと思い出すことも……。最近になって実録怪談を読み進めている私のホラー小説といえば、小学生の時分に読んだ「学校の怪談」なのですが、今はずっと現実の話が怪談になって出版されているのだな、と。もちろん昔にだって現実に即した話は、はっかが読んでいないだけで出版はされていたと思いますが(/・ω・)/

 

総括すると、リアリティと不可解と情緒の間のようなスタイルの著者の本は今後も読んでみたいと感じました。

 

奇妙な読み味の怪談を披露する丸山政也による実話怪談集。
いじめられっ子のルームメイトがある夜、突然変わった。いったいなにが…「赤毛の友」、病床につく弟が見た夢は傷口から虫が這い出すもの。それから暫くすると…「蛆虫と黄揚羽」、クラスで撮った集合写真に自分が写っていない。代わりに写っていたのは…「集合写真」など41話を収録。
やんわりと纏わりつく厭な怖気、それを祓うことはできない。

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