「繊細さん」の本、レビュー

最近話題の「繊細さん」の本を読んでみたので忘れないうちにレビュー。
覚書や主観に満ちた感想を含みます。
記事内の敬称は省略しています。

繊細さんの本、電子書籍

最初の印象と実際の内容

ぱっと見た感じ、自己啓発本かなという印象を持ちました。


読んだ媒体は電子書籍(kindle)のアンリミテッドです。
過去記事にあるように学生は通常の会員よりさらにお得に読書ができます。気になる方はチェックしてみたください。

「繊細さん」とはアメリカの心理学者エレイニ・アーロン博士が提唱したHSP(Highly Sensitive Person)という概念がベースです。
HSPで「敏感すぎる人」「とても敏感な人」とされていたケースを「繊細さん」と著書の中で言い換えています。

この「繊細さん」の本では、「繊細さん」と呼称するだけではなく、敏感・繊細と言った特徴をポジティブにとらえるように述べています。


「繊細」を克服するのではなく、長所として生かす

繊細を克服するのではなく、長所として生かす
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繊細であるから非・繊細さん(繊細さんでない人の意と本で紹介)が気づけないところをカバーできるとし、生かし方や生かされたケースの紹介をしています。そして繊細であるから辛いと感じる部分をいかに防ぐかということも具体例も紹介されているのが特徴です。

繊細さんは五感も敏感

イヤホンを使ってみる
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2章の『「刺激」から自分を守る工夫』では繊細さん故に気づきすぎて疲れてしまう刺激を心を閉ざすという心理的な要素ではなく物理的に防ぐ手段を紹介しています。


聴覚が過敏ならイヤホンを付ける。
好きな音楽を流す。
耳栓をする。……などの対処法です。
よく聞く対処法ではありますが、音に疲れてしまう人には効果大です。


私も少し聴覚過敏がありイヤーマフを購入しています。
最近はBluetoothのイヤホンを愛用中です。


また視覚情報を多く取りすぎてしまうという人の対処法で度が多少落ちた眼鏡を使う、伊達眼鏡をかけるといった方法が紹介されていてこちらは今度試してみようと思いました。
確かに最初から見えなければ気にならない!

(もちろん事故に会わない範囲の度数で。本では視覚刺激を防ぐ眼鏡と通常の眼鏡を二つ持ち歩くことを紹介されていました。使い分けが大切ですね)

他、気になった、してみようと思ったのは部屋の片づけです。
薄々気づいていたのですが、部屋にモノがあふれていること自体が刺激です。
それは繊細さんに限らず、ほとんどの人がそうだと思います。
物が溢れていると無意識のうちに視覚情報として常に「無駄」な情報が入ってきます。
部屋を片付ける。
ものを捨てる。
といった対処を、
物を捨てない場合はカバーをかける。見えないところに仕舞ったりも有効でしょう。

これらの情報を遮断、選別するといった繊細さんの対処法は、普通の人でも生産効率を上げる方法と言えるかもしれません。


本では他にも五感を休める方法を具体的に紹介しています。

繊細さんの人間関係

「繊細さん」の本で期待される項だと思いますが、これは繊細さんだからというより、繊細さんを含む人間関係全般に言えることではないかと私は思いましたが、繊細さんに当てはまるように書かれている本なので


繊細だから人の機嫌を察して行動してしまう。
繊細だから人に頼み事をしにくい。


そう考えてしまう人は読んでみる価値があるかもしれません。


ただ前述しましたが、繊細さんという糸口なだけで、多くの人間関係や心理の本で紹介されている方法ではないかと思います。

(私自身そこまで対人関係の本を読んだとは言えませんが、人間関係対処の基礎ですかね。それができないから難しいんですけどね(´・ω・`))

「相手の気持ちはどこまでわかる?」という章は自分の想像している相手の気持ちと、実際の相手の気持ちを確認して検証する話が述べられているのですが、前章を多少否定しているように見えました……。
人付き合いって、そういうことなんですけどね。


エスパーじゃなければ、当然ですが繊細な気質でも、人の気持ちを100%理解はできません。(大まかに怒っているとか悲しんでいるといったことは非・繊細さんより察知できると思います。)

まとめ


総括すると、敏感を繊細さんと言い換える事で新しくなった本?でしょうか。こちらの著書はこれが初出版だと思うのですが(amazonでヒットしているものはこれだけだったので。自費出版とかありそうですが、それは分かりません)、ハウツー本としては普通の感じで普通に良かったのではと思いました。
対人関係についても、繊細だから諦めろ、自衛しろと述べるのではなく、互いに思いやることや言葉をうまく使う事での対処法などが書かれています。

「繊細さん」とも「敏感さん」というより著者の述べるように「ポジティブ」に聞こえ、多くの人に受け入れやすいとも思います。

言葉遣いやフォントも「繊細さん」のタイトル通り優しく読みやすいので、気になる方は読んでみてはいかがでしょう。